熊谷正寿が語るグループ成長戦略・事業戦略

2024年11月末日時点

皆さん、こんにちは。GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿です。
GMOインターネットグループ全体の足元の状況、戦略について分かりやすくご説明します。

GMOインターネットグループの成長戦略

●GMOイズムという共通の価値基盤

GMOインターネットグループのグループ経営戦略の基盤となるのが「GMOイズム」です。これは創業以来、私たちが大切にしている共通の価値基盤で、GMOインターネットグループにおける社是・社訓の総称をいいます。この「GMOイズム」の共有・徹底を通じて私たちは成長してきました。ご覧のように「不変の目標」のほか、様々な経営ノウハウで構成されています。

この「GMOイズム」をインターネット事業を開始した1995年から唱和、実践し続けています。ご覧のように国内外7,800人のパートナーが定期的に集い、唱和しています。

GMOイズムという共通の価値基盤があることで、多くのグループ会社の集合体でありながらも、全員が同じ方向に向かって全力で走り、成長し続けてきました。GMOイズムは、毎年毎年にアップデートを重ねてきています。私たちがインターネット産業で生き残ってこれた理由は、GMOイズムを改善し、読み続け、そしてグループのパートナーみんなで共有・徹底しているからだと考えています。この一部であるスピリットベンチャー宣言については公開しておりますので、ぜひご覧ください。

●定量目標「55ヵ年計画」

GMOイズムの中には不変の超長期目標として「55ヵ年計画」があります。1998年に設定したもので、2051年に売上高10兆円、経常利益1兆円の企業グループになる、というものです。これは、投資家の皆さまにお約束するものというよりは、グループとして高い成長を目指すという、社内コミットメント目標となるものです。55ヵ年計画をグラフ化したのがこちらです。

スピリットベンチャー宣言にも「GMOインターネットグループにあるすべての定量的目標は、55カ年計画に基づいて計画する」という一節があり、社内の年度目標策定の前提となるなど、グループのパートナーの共通言語になっています。さて、この55ヵ年計画ですが、2023年にちょうどその中間に来ており、私たちの目指すインターネット革命は後半戦に入っています。55ヵ年計画の達成には逆算すると、毎期15%以上の成長が必要となります。今後も持続的成長により目標達成を目指します。

●インターネット革命後半戦はAIが主役

こちらは過去の産業革命のサイクルをグラフ化したもので、合わせて産業革命のきっかけとなった技術革新を記しています。世界経済が約50年周期で景気循環を繰り返していることが読み取れます。今は第4次産業革命といわれており、Windows95がインターネット革命の起点となり29年が経っています。折り返しを過ぎた残り26年間のインターネット革命後半戦は、AIが主役となり世の中が便利になることは間違いない確信しています。

●100年単位で継続する企業グループへ

GMOインターネットグループはインターネット産業という変化の激しい領域において、勝ち続け、持続的に価値創造していくための最適な組織体制を模索してきました。

インターネット革命後半戦に向け、2025年1月、当社グループは現在の事業持株会社体制から、純粋持株会社に近い立ち位置へ移行します。これは「100年単位で継続する企業グループ」の実現に向けた強固な経営基盤の構築を目指す第一歩となるものです。

当社は、純粋持株会社に近い立ち位置となり、グループ経営機能に特化してまいります。具体的には、グループシナジー創出の基盤を担う、事業ポートフォリオの最適化という役割です。グループ全体として持続的成長を実現するための体制をより強固にしてまいります。

そして、グループの強みである「自立経営」をさらに強化します。グループ各社への権限委譲を進めることで、より機動的な意思決定と成長スピードの加速を実現してまいります。

グループ内再編のスキームはこちらのとおりです。効力発生日である2025年1月1日に、GMOインターネットグループ株式会社が本体で展開するインフラ事業などをGMOアドパートナーズ株式会社に承継します。GMOアドパートナーズ株式会社は社名をGMOインターネット株式会社に変更し、プライム上場企業として新たにスタートを切ることとなります。ネット広告・メディア事業を展開するGMOアドパートナーズ、ドメイン、クラウド・ホスティング、アクセスというネットインフラ事業を展開するGMOインターネットグループの本体事業が一体化することにより、双方の強みを活かしたスピード感のある事業展開を行ってまいります。

なお、今回の再編で移動するのはGMOインターネットグループ株式会社本体で展開するインフラ事業・広告メディア事業のみです。当社が株式を保有する上場、非上場のグループ会社各社の立ち位置に変化はありません。グループ経営機能に特化した持株会社として、引き続き東証プライム上場企業として株主の皆さま期待に応えてまいります。

今回のアクションにより「100年単位で継続する企業グループ」を確立すべく、持続的成長の実現、結果として超長期計画である「55ヵ年計画」の達成に向けグループ経営に邁進してまいります。

GMOインターネットグループの強み

私達の強みは3つです。

  • ① 自立経営
  • ② 自社開発・自社運用
  • ③ 岩盤ストック収益

① 自立経営

当社グループのユニークネスはグループ経営にあると考えています。その特長は、権限を分散したスピード経営にあります。インターネット産業という変化の激しい市場においては、中央集権的な組織よりも権限を分散した組織が有効だと考えています。各グループ会社はGMOイズムのもと、それぞれが得意とする領域で、No.1戦略を追求し、成長商材を創出し続けています。この自立経営の仕組みが、結果としてリスク分散された強固な経営基盤につながっています。

② 自社開発・自社運用

インターネット産業という変化の早い産業で勝ち続けるためには、自ら作って、自ら運用する、モノづくりの会社であることが大事だと考えています。このため、エンジニア、クリエイター、ディレクターといったモノづくりに関わる職種の比率を非常に注視しています。現在7,800人の内、約半分がモノづくりに関わる方です。これを6割まで引き上げようと考えています。

③ 岩盤ストック収益

われわれが創業以来持続的な成長が実現できているのは、岩盤ストック収益という収益モデルにあると考えています。一般的にはサブスクリプション、リカーリング収益ということになりますが、私たちはこのようなものとは少し違うと考えています。すなわち、インターネット産業が続く限り、「無くならない、無くてはならない」そして「継続課金型の商材」からもたらされる収益を岩盤ストック収益と言っています。

この3つの強みを支えるのは、アナリスト様より“鉄の組織”とご評価いただいた「組織力」です。社是・社訓の総称である「GMOイズム」の共有・徹底を基盤とした「組織力」こそが私達の強みの源泉です。

インターネットインフラ事業

圧倒的No.1サービスの集合体、永遠に無くならない事業

「インターネットインフラ事業」はトータル力で、圧倒的No.1の事業領域です。サービスをご利用いただく1,500万件を超える「岩盤収益」ともいえる強靭な顧客基盤と「規模の経済」によって、年々収益力が増しています。

ドメインレジストリ・レジストラ事業

インターネットの入り口であるドメインの卸元となるドメインレジストリ事業、販売を行うドメインレジストラ事業は共にマーケットシェア8割を超え、国内においては圧倒的No.1の事業領域です。これはGoogle Japan、Yahoo!JAPANといった検索サイトを皆さまご利用されると思いますが、そこに表示されている日本のサイトの8割をGMOがお預かりしているということです。

クラウド・ホスティング事業

国内法人・事業所の2分の1はGMOインターネットグループのインフラをご利用いただいています。Google Japan、Yahoo!JAPANを毎日ご覧になる中で、その59%が我々のデータセンターにあるお客さまだということです。言い方変えると、名刺交換いただいた2人に1人、街にある商店の二軒に一軒が我々のお客さまということとなります。私達は、国内最大のクラウド・ホスティング事業者です。

EC支援事業(ECプラットフォーム事業)

ネットショップを誰でも簡単に開設する仕組みをご提供し、モール型の店舗参加ではなく、お客さまの「本店・公式ショップ」をお手伝いしています。ロングテール向けからハイエンドまでマルチブランドで事業展開しています。

セキュリティ事業

今後ますます加速するセキュリティのニーズを見据え、今最も力をいれているのがこのセキュリティの事業です。セキュリティ事業は3つの領域で構成されています。

  • 認証技術を活用したSSLなどの「暗号セキュリティ」
  • 世界最強のホワイトハッカー集団による「サイバーセキュリティ」
  • ドメイン・商標のプロによる「ブランドセキュリティ」

①暗号セキュリティ

我々の強みは国内で唯一世界展開している認証局を自社運用しているというところです。グローバルでシェアを持つルート認証局は世界で5社しかありません。皆さんのスマホにも我々のデジタル証明書が入っており、国内シェアはNo.1です。

この認証局の技術をベースにコロナ禍に事業拡大したのが「電子印鑑GMOサイン」です。現在、契約数・送信数の国内シェアがNo.1となっています。無料のサービスもありますが、有料化もどんどん進んでおり、岩盤ストック収益のプラス要因と捉えています。これからが楽しみです。

②サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティに関する知識を社会的に正しい目的で活用する技術者であるホワイトハッカーは公的なデータが存在していないので、あくまでフェルミ推定ではありますが、国内の4割は我々のところに在籍しているのではないかと思っています。国際的なハッカーコンテストで優勝するような優秀なパートナーが多く在籍しています。サイバーセキュリティは大口の法人のお会社さまにお使いいただいているのみならず、自衛隊のサイバー防衛隊のスキル向上のために我々が教育にお伺いしたり、警視庁のいわゆるサイバー捜査のお手伝いをしており、感謝状、表彰状をいくつかいただいております。

③ブランドセキュリティ

インターネットの中には模造品や、なりすましなど偽サイトなどが多く存在しています。これを我々が監視、報告し対処するというサービスで、主にブランドを大事にするお会社にサービスをご利用いただいています。

セキュリティ事業では「すべての人に安心・安全なインターネットを」をスローガンとして掲げています。安心安全なインターネット社会の実現に貢献してまいります。

決済事業

連結企業集団のGMOペイメントゲートウェイでは1か月1兆円を超える決済を行っています。レシートのロール紙にGMOやGMO-FGと印字されているのをお見かけいただくことも多いのではないでしょうか。決済処理金額・件数共に国内最大の決済事業のリーディングカンパニーとして、今後も成長を見込んでいます。

アクセス事業

創業時からの事業として1995年から約20年以上続く、インターネットの接続サービスです。GMO光アクセスやドコモ光などの光回線や、WiMAXなどのモバイル回線サービスをより多くの方に満足いただけるように、どこよりもお得に提供しています。

インターネットインフラ事業を展開するグループ上場各社はこちらのとおりです。詳しくは各社のIRサイトをご覧ください。

インターネット広告・メディア事業

広告代理、アドプラットフォームの提供、自社メディア運営を通じて、インターネットビジネスを手掛けるお客さまの集客支援を行っています。自社商材・自社メディアの育成強化を通じ、成長を加速させてまいります。

インターネット広告・メディア事業を展開するグループ上場各社はこちらのとおりです。詳しくは各社のIRサイトをご覧ください。

インターネット金融事業

既存のネットインフラ事業、ネット広告・メディア事業とネット金融事業はきわめて親和性が高く、さまざまな相乗効果が期待できることから、私達は2005年に当事業領域に参入しました。

強みである「自社開発・自社運用」を武器に、より自由で開かれた次世代金融取引サービスをお客さまに簡単に便利にご利用いただくことで、FX、CFDともに取引高は国内トップクラスとなっています。

インターネット金融事業を展開するグループ上場会社はこちらのとおりです。詳しくはIRサイトをご覧ください。

暗号資産事業

暗号資産事業では暗号資産交換事業を中心に展開しています。ネット金融事業のノウハウを活用した事業展開ができており、口座数、預かり資産も堅調に拡大しています。

暗号資産事業を展開するグループ上場会社はこちらのとおりです。詳しくはIRサイトをご覧ください。

GMOあおぞらネット銀行

2018年17日、あおぞら銀行さまとの合弁によりGMOあおぞらネット銀行は次世代型インターネット銀行事業を開始しました。

「すべてはお客さまのために。No.1テクノロジーバンクを目指して」を経営理念として、GMOインターネットグループの最先端テクノロジーとあおぞら銀行グループさまの銀行経営およびリスク管理に関するノウハウを掛け合わせて、ユニークでスマートな次世代型サービスを低価格で実現します。APIを使っていただくというネット銀行で、勿論店舗などは一切ありません。

足元では、法人口座が急増しており、新設法人の多くにGMOあおぞらネット銀行をお使いいただいています。日本国内の新規法人設立は月間約1万社といわれていますが、当社の口座開設数は4,000社を超えており、ものすごいシェアです。

海外展開

アジア圏を中心に、国内でNo.1の実績をもつネットインフラを中心に事業を展開しています。海外事業は卸と直販が中心です。卸しは「.shop」ドメインとSSLです。直販は、GMOブランドではなく、海外統一の"Z.com"ブランドで展開しています。『世界No.1のサービス×世界一覚えやすいドメイン』の海外統一ブランド“Z.com”のもと革新的なサービスを直販で提供し、世界のインターネットの更なる普及に貢献してまいります。

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GMO INTERNET GROUP

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

こうして新たな年を迎えられるのも、お客様、株主様、お取引先様の温かいご支援とお力添えのおかげでございます。心より感謝申し上げます。

2024年、GMOインターネットグループは「インターネット革命の後半戦」における重要な一歩として、GMO AI&ロボティクス商事株式会社を設立しました。AIとロボット産業をつなぐ架け橋となり、私たちの強みであるインターネットインフラやセキュリティ技術を融合させたソリューションを提供することで、労働人口の減少などの社会課題の解決に貢献することを目指しています。

そして2025年、私たちは「100年単位で継続する企業グループ」の実現のため、新たなグループ体制へと移行しました。
1月1日に、アクセス、ドメイン、クラウド・ホスティングと、グループの礎として28年の歴史を築いてきた祖業がGMOアドパートナーズ株式会社に承継されることになります。
同社は社名を GMOインターネット株式会社に変更し新たなスタートを切ります。これにより、迅速で柔軟な意思決定を可能にし、AI・ロボティクス革命を支える取り組みを加速します。

また同時に、GMOインターネットグループ株式会社は持株会社へ移行します。
約110社にのぼるグループ企業への支援体制を強化し、より一層グループシナジーを高めてまいります。
本年も、約8000名のグループパートナーが一丸となり、インターネット革命の後半戦を力強く駆け抜け、皆様の笑顔と感動を創造してまいります。
引き続きご支援、ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
グループ代表 熊谷 正寿