熊谷正寿が語るグループ成長戦略・事業戦略
2024年6月末日時点
GMOインターネットグループ全体の足元の状況、戦略について分かりやすくご説明します。
GMOインターネットグループの成長戦略
●GMOインターネットグループのグループ経営戦略
GMOインターネットグループは、「権限の分散」と「グループシナジーの創出」によるグループ経営を志向しています。すなわち、変化の激しいインターネット市場に対応するために、グループ各社は得意とする領域を選び、その領域に重点的に経営資源を投入し、No.1となることを目指し、自立的に経営を行います。そして、GMOインターネットグループにおける社是・社訓の総称である「GMOイズム」の共有・徹底を基盤として、グループシナジーを創出しながら成長するという経営スタイルです。
●持株会社体制へ移行、グループの基盤をより強固にし、結果として100年単位で継続する企業グループへ
24年6月にはGMOインターネットグループの今後の方向性をお示しする大きなリリースを2つお出ししています
2024年6月18日にはAI の加速度的進化に伴い、AI と親和性が高いといえるロボットの開発が急速に進展していくことを見据え、GMO AI&ロボティクス商事株式会社(GMO AIR)の設立を発表しました。後述するGMOインターネットグループの持株会社体制への移行により、AIロボティクス革命に向けた商流が整理され、各事業会社が横並びになることでよりスムーズなシナジー創出が可能になると考えています。
2024年6月25日にはGMOインターネットグループ株式会社本体で展開するインフラ事業とGMOアドパートナーズ株式会社との統合、そしてGMOインターネットグループ株式会社の持株会社体制への移行を発表しました。
ネット広告・メディア事業を展開するGMOアドパートナーズ、ドメイン、クラウド・ホスティング、アクセスというネットインフラ事業を展開するGMOインターネットグループの本体事業が一体化することにより、双方の強みを活かしたスピード感のある事業展開を行ってまいります。また合わせてGMOアドパートナーズは社名をGMOインターネット株式会社に変更します。2025年1月1日、新生GMOインターネットは東証プライム上場企業として新しくスタートし、持続的成長、企業価値の最大化を目指します。ご期待ください。また、GMOインターネットグループは引き続き東証プライム上場企業として株主の皆さま期待に応えてまいります。
今回のアクションにより100年単位で継続する企業グループの基盤をより強固にし、成長を加速させてまいります。
GMOインターネットグループの強み
私達の強みは3つです。
- ① 自社開発・自社運用
- ② 岩盤ストック収益
- ③ リスク分散・自立経営
①自社開発・自社運用
インターネット産業という変化の早い産業で勝ち続けるために、仕入れてものを売るということよりも全部自分たちで作りこむということが大事だと考えています。ですので、エンジニア、クリエイター、ディレクターといったモノづくりに関わる職種の比率を非常に注視しています。現在7,500人の内、約半分がモノづくりに関わる方です。これを6割まで引き上げようと考えています。
②岩盤ストック収益
われわれが創業以来、持続的な成長が実現できているのは、岩盤ストック収益という収益モデルにあると考えています。一般的にはサブスクリプション、リカーリング収益ということになりますが、私たちはこのようなものとは少し違うと考えています。すなわち、インターネット産業が続く限り、「無くならない、無くてはならない」かつ「継続課金型の収益」からもたらされる収益を岩盤ストック収益と言っています。
③リスク分散・自立経営
GMOインターネットグループでは、グループ各社が得意とする領域を選び、その領域に重点的に経営資源を投入し、No.1になることを基本戦略としています。グループ全体の事業は特定の商材、取引先、パートナー(従業員)に頼らず、結果としてリスクが分散されています。つまり、一本足打法ではないので、当社グループは急に業績が傾いたり、なくなったりしないということです。
この3つの強みを支えるのは、アナリスト様より“鉄の組織”とご評価いただいた「組織力」です。社是・社訓の総称である「GMOイズム」の共有・徹底を基盤とした「組織力」こそが私達の強みの源泉です。
インターネットインフラ事業
圧倒的No.1サービスの集合体、永遠に無くならない事業
「インターネットインフラ事業」はトータル力で、圧倒的No.1の事業領域です。サービスをご利用いただく1,000万件を超える「岩盤収益」ともいえる強靭な顧客基盤と「規模の経済」によって、年々収益力が増しています。
ドメインレジストリ・レジストラ事業
インターネットの入り口であるドメインの卸元となるドメインレジストリ事業、販売を行うドメインレジストラ事業は共にマーケットシェア8割を超え、国内においては圧倒的No.1の事業領域です。これはGoogle Japan、Yahoo!JAPANといった検索サイトを皆さまご利用されると思いますが、そこに表示されている日本のサイトの8割をGMOがお預かりしているということです。
クラウド・ホスティング事業
国内法人・事業所の2分の1はGMOインターネットグループのインフラをご利用いただいています。Google Japan、Yahoo!JAPANを毎日ご覧になる中で、その58%が我々のデータセンターにあるお客さまだということです。言い方変えると、名刺交換いただいた2人に1人、街にある商店の二軒に一軒が我々のお客さまということとなります。私達は、国内最大のクラウド・ホスティング事業者です。
EC支援事業(ECプラットフォーム事業)
ネットショップを誰でも簡単に開設する仕組みをご提供し、モール型の店舗参加ではなく、お客さまの「本店・公式ショップ」をお手伝いしています。
セキュリティ事業
今後ますます加速するセキュリティのニーズを見据え、今最も力をいれているのがこのセキュリティの事業です。セキュリティ事業は3つの領域で構成されています。
- 認証技術を活用したSSLなどの「暗号セキュリティ」
- 世界最強のホワイトハッカー集団による「サイバーセキュリティ」
- ドメイン・商標のプロによる「ブランドセキュリティ」
①暗号セキュリティ
我々の強みは国内で唯一世界展開している認証局を自社運用しているというところです。グローバルでシェアを持つルート認証局は世界で5社しかありません。皆さんのスマホにも我々のデジタル証明書が入っており、国内シェアはNo.1です。
この認証局の技術をベースにコロナ禍に事業拡大したのが「電子印鑑GMOサイン」です。現在、契約数・送信数の国内シェアがNo.1となっています。無料のサービスもありますが、有料化もどんどん進んでおり、岩盤ストック収益のプラス要因と捉えています。これからが楽しみです。
②サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティに関する知識を社会的に正しい目的で活用する技術者であるホワイトハッカーは公的なデータが存在していないので、あくまでフェルミ推定ではありますが、国内の4割は我々のところに在籍しているのではないかと思っています。国際的なハッカーコンテストで優勝するような優秀なパートナーが多く在籍しています。サイバーセキュリティは大口の法人のお会社さまにお使いいただいているのみならず、自衛隊のサイバー防衛隊のスキル向上のために我々が教育にお伺いしたり、警視庁のいわゆるサイバー捜査のお手伝いをしており、感謝状、表彰状をいくつかいただいております。
③ブランドセキュリティ
インターネットの中には模造品や、なりすましなど偽サイトなどが多く存在しています。これを我々が監視、報告し対処するというサービスで、主にブランドを大事にするお会社に我々のサービスをご利用いただいています。
セキュリティ事業では「すべての人に安心・安全なインターネットを」をスローガンとして掲げています。安心安全なインターネット社会の実現に貢献してまいります。
決済事業
連結企業集団のGMOペイメントゲートウェイでは大体1か月1兆円を超える決済を行っています。レシートのロール紙にGMOやGMO-FGと印字されているのをお見かけいただくことも多いのではないでしょうか。決済処理金額・件数共に国内最大の決済事業のリーディングカンパニーとして、今後も成長を見込んでいます。
アクセス事業
創業時からの事業として1995年から約20年以上続く、インターネットの接続サービスです。GMO光アクセスやドコモ光などの光回線や、WiMAXなどのモバイル回線サービスをより多くの方に満足いただけるように、どこよりもお得に提供しています。
インターネット広告・メディア事業
広告代理、アドプラットフォームの提供、自社メディア運営を通じて、インターネットビジネスを手掛けるお客さまの集客支援を行っています。前述のGMOインターネットグループ株式会社本体で展開するインフラ事業とGMOアドパートナーズ株式会社との統合により、成長を加速させてまいります。
インターネット金融事業
既存のネットインフラ事業、ネット広告・メディア事業とネット金融事業はきわめて親和性が高く、さまざまな相乗効果が期待できることから、私達は2005年に当事業領域に参入しました。
強みである「自社開発・自社運用」を武器に、より自由で開かれた次世代金融取引サービスをお客さまに簡単に便利にご利用いただくことで、FX、CFDともに取引高は国内トップクラスとなっています。
暗号資産事業
暗号資産事業では暗号資産交換事業を中心に展開しています。ネット金融事業のノウハウを活用した事業展開ができており、口座数、預かり資産も堅調に拡大しています。
GMOあおぞらネット銀行
2018年17日、あおぞら銀行さまとの合弁によりGMOあおぞらネット銀行は次世代型インターネット銀行事業を開始しました。
「すべてはお客さまのために。No.1テクノロジーバンクを目指して」を経営理念として、GMOインターネットグループの最先端テクノロジーとあおぞら銀行グループさまの銀行経営およびリスク管理に関するノウハウを掛け合わせて、ユニークでスマートな次世代型サービスを低価格で実現します。APIを使っていただくというネット銀行で、勿論店舗などは一切ありません。
足元では、法人口座が急増しており、新設法人の多くにGMOあおぞらネット銀行をお使いいただいています。日本国内の新規法人設立は月間約1万社といわれていますが、当社の口座開設数は4,000社を超えており、ものすごいシェアです。
海外展開
アジア圏を中心に、国内でNo.1の実績をもつネットインフラを中心に事業を展開しています。海外事業は卸と直販が中心です。卸しは「.shop」ドメインとSSLです。直販は、GMOブランドではなく、海外統一の "Z.com"ブランドで展開しています。『世界No.1のサービス×世界一覚えやすいドメイン』の海外統一ブランド“Z.com”のもと革新的なサービスを直販で提供し、世界のインターネットの更なる普及に貢献してまいります。